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米債入札不調で売られる
  • MRA商品市場レポート

2025年5月22日 第2979号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米債入札不調で売られる」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場はその他農産品や貴金属、穀物などの非景気循環系商品価格が上庄したが、その他の景気循環系商品は水準を切り下げた。

米トランプ税制改革の影響で米国の財政状況が悪化、Moody'sの格下げ以降、米財政状況に対する注目が高まり6月にも債務上限問題が再燃する状況で実施された米20年債の入札が不調で、最高落札利回りが5.047%(前月4.810%)と大幅に上昇、応札倍率も2.46倍(前月2.63倍)と低下したことで、長期債回避の動きが強まっていることが影響している。

結局、ドットコムバブル崩壊、リーマン・ショック、コロナ・ショックの際に大規模に財政が拡張したため、債務が持続可能ではないとの見方が強まっていることが米国債の入札を不調にしている。

米予算局(CBO)の見通しでは、2025年~2034年までの累計で、トランプ減税の恒久化、チップ非課税、社会保障給付非課税、国内製造業減税などの効果で税収が▲4.5兆ドル減少を見込んでいる。CBOのベースラインでは2025年の税収は5.2兆ドル。

なお、関税収入が2兆~2.7兆程度増えると見込まれるが、歳出も1.2-1.3兆ドル程度増加するため、ネット赤字は2.7-3.8兆ドル増加。

また、金利上昇による利払い負担が8兆ドル程度増えるため全てを合計すると10兆ドル程度の国債増発が必要になる。これらがMoody'sにマイナス評価され、さらにはS&Pも格下げを検討するのではないか、という懸念を強めている。

長期金利の上昇は株のバリュエーションを低下させるため株安を促し、リスク資産価格を押し下げる効果をもたらす。


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