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ドル安で堅調原油は調整
  • MRA商品市場レポート

2025年5月21日 第2978号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「ドル安で堅調原油は調整」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は液体燃料やその他農産品が下落したが、非鉄金属や貴金属などは上昇した。総じてドル安基調となったことが、ドル建て資産価格を押し上げたと考えられる。

ただし、株価はこれまでの上がり過ぎから調整していること、和平が期待された中東や宇露の停戦は、トランプが介入したものの上手くいっているとは言えず「交渉から撤退」といった主旨の発言も出ている。

結局、トランプの交渉の成果はこのままだとウクライナと重要港物資源の開発で合意したことぐらいになる。当たり前であるが戦争の終結はそれほど簡単な話ではない。

宇露の停戦が上手くいかない可能性が高いことは事前に分かっていた事ではある。ロシアはウクライナ4州をロシアに割譲すること、ウクライナがNATOに加盟しないこと、といった「ウクライナ属国化」が目的であるため、現在の状況で停戦に応じる気はないと考えられる。

ただし、ロシアは公共投資や海外企業の収奪、戦争向けの需要増加などで好景気に沸いていたが、足元、CPIは前年比+10%を越え、GDP成長も減速しておりロシアがおかれている状況も厳しい。

ここでEUがロシアに対する制裁強化を打ち出したが、これによってガスや石油の輸出が減少すれば、ロシアにとっては打撃だ。この時、米国がEUに同調してロシア産原油・ガスを購入している中国やインドに二次制裁を課すのかどうかがポイントとなろう。

この場合、ガス・原油価格の上昇、場合によっては十分に調達できなくなるリスクがあるが、原油に関してはOPECプラスが増産、ガスに関しては米国から調達する見通しであることから「対応可能」と判断したようだ。


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