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米国債格下げショック一巡で上昇する商品目立つ
  • MRA商品市場レポート

2025年5月20日 第2977号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米国債格下げショック一巡で上昇する商品目立つ」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場はオフシーズンである発電燃料・ガスセクター軟調、非鉄金属も総じて軟調だったが、貴金属や原油などの景気循環系商品、穀物セクターも水準を切り上げた。

米国債ショックで債券が売られ金利が上昇していたが、Moody'sによる格下げは早晩起きると予想されていたことからこれをこなし、金利が低下したことでドル安・株高が進行したことで、市場参加者のリスク選好が回復したことが材料となった。

米国の財政状況はリーマン・ショック、コロナ・ショックを経てかなり厳しい状況にあり、来月には再び債務上限問題が俎上に上るためまだこれで落ち着いたという訳ではない。

ただし、少し前に議論されたマールアラーゴ合意(結果的に市場参加者の米債投資を抑制し、ドルの価値を意図的に減価させることになる)などが本当に履行されれば話は別であるが、国の信用力という意味では覇権国であり、かつ、基軸通貨をもちそのシェアも圧倒的である米国への投資を市場参加者が放棄することは現時点では考え難い。

よって乱高下はあろうが、格下げを材料にした米国債利回りの上昇のリスクはそれほど大きく無いとみる(あっても一時的)。

なお、今回のMoody'sの格下げでAaaからAaクラスに格下げとなったが、同社の定義では、Aaa格は「最高位でありデフォルトの可能性が極めて低い」でありAa格は「高品質であり、信用リスクが非常に低いと判断される債務。Aaa格と比較して僅かにリスクが高い」となっており、文面を読む限りではほとんど差はない。

この中で石破首相は「日本の財政状況はギリシャよりも悪い」と発言、恐らく選挙に向けて国債を増発して消費税を下げろ、という要求が出ている野党を牽制する目的だったと考えられる。

◆本日のMRA's Eye



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