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株下落・上昇に連れる動き
  • MRA商品市場レポート

2025年5月16日 第2975号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「株下落・上昇に連れる動き」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は景気循環系商品で下落した商品が目立ち、その他農産品や穀物などの比較的景気と連動していない商品価格が上昇した。昨日は米金利が低下、ドル指数がやや軟調に推移したことでドル建て商品価格にファイナンシャルな面で買い圧力が強まりやすい地合となった。

昨日は米小売売上高に注目が集まっていたが、前月比+0.1%と市場予想の±0.0%を上回ったが、前月の+1.7%から大幅に減速した。除く自動車・ガソリンでは+0.2%(市場予想+0.3%、前月+1.1%)と市場予想、前月ともに下回っている。明らかに米トランプ関税上げ前の「駆け込み需要の剥落」と考えられる。

これまで、雇用や消費関連統計は目立って悪い物が出てきていないが、基本、個人消費や雇用は「景気の遅行指標」であるため、影響が出るのはこれからだろう。

その意味では昨日同時に発表された米生産者物価指数は一考に値する内容。PPIは総合、コアとも前月比マイナス圏に低下(市場予想は前月比プラス)しているのだ。このことは輸入物価指数の上昇はあるものの、消費の減少を回避するために企業側が一定のコスト負担を選択していることを示唆している。

ただし、米政権は関税率を25%だ、50%だと引き上げ企業に「耐えろ」と発言しているが、さすがに最終価格に転嫁しないということは不可能な水準であることを忘れてはならない。


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