米雇用統計と関税交渉楽観で上昇 原油は下落
- MRA商品市場レポート
2025年5月5日 第2966号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米雇用統計と関税交渉楽観で上昇 原油は下落」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は上昇する商品が目立った。米中関税協議が進展しているのではとの期待がじわりと高まる中、昨晩発表された米雇用統計が市場予想を上回る良好な内容であり、米政権の関税政策や、DOGEによる人員解雇などの影響がまだ雇用市場に影響を及ぼしていない、との楽観がリスク選好を回復させたことが背景。
雇用者数もほぼ全ての業種で増加している。また、トランプ政権の政策の影響か、米国民の雇用者が前月比+0.8%の1億3,222万人に増加する一方、外国人労働者は▲1.3%の3,182万人に減少している。しかしトータルでは雇用者の増加が確認されており、雇用市場が堅調であることを伺わせる内容。
ただし米雇用統計も細かく見ると必ずしも両手放しで良い内容とも言えない。まず、失業率は4.2%(前月4.2%)で横這いだが、労働参加率が62.6%(前月62.5%)と上昇する中での失業率維持であるため、失業者数自体は増加している。
また、良い条件を求めて自発的に離職する自発的離職者数も85.5万人(前月87.0万人)と減少し、先行きの不透明さから職に止まろうと考える従業員が増加したとみられる。また、平均時給も前月比+0.2%(前月+0.3%)と伸びが減速しており徐々に米政権の政策が影響し始めていると考えられる。
足元、米政策がかなり強引であることから市場が混乱し、特に債券市場が混乱していることから政権も政策の修正を迫られ、その修正の中でリスク資産が買い戻される流れになっているが、別に関税政策がなくなった訳ではなく、更に現状、関税交渉は継続しておりこれが完了したとしても関税が撤廃される訳ではない。
常識的に考えれば、米国を含む世界の経済成長は年初に想定していたペースよりも鈍化し、特に景気循環系商品価格には下押し圧力が掛かる展開が想定される。
また、この状況でOPECプラスは追加増産を検討し始めた。
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