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貴金属やその他農産品など非景気循環系商品売られる
  • MRA商品市場レポート

2025年5月2日 第2965号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「貴金属やその他農産品など非景気循環系商品売られる」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場はメーデーで欧州主要市場が休場、中国がGWで休場だったが、景気循環系商品が物色され、ディフェンシブな貴金属や景気と直接連動しないその他農産品が売られる流れとなった。

これまでの市場の重要なテーマだった「米国売り」の流れがベッセント財務長官の尽力(というべきか)で修正される中、ISM製造業指数が市場予想ほど悪くなかったことを受けて、売られすぎの反動で買い戻しが入った。

同時にドル高が進行したため、ドル回避で買われていた金は下落、また、景気に直接連動し難い農産品はドル高で名目価格が下落する流れとなった。

注目のISM製造業指数は総合指数が48.7(市場予想 47.9、前月 49.0)と前月からは悪化したものの市場予想は上回っており、「そこまで悪くない」という印象。

サブ指数も氏荒い価格が69.8(73.0、69.4)とかなり高い水準であることは事実だが市場予想ほどではなかった。一方、閾値の50は下回っているが新規受注は47.2(45.0、45.2)と改善しており、この状況でも消費が比較的堅調であることを確認する内容で、雇用に関しても46.5(44.6、44.7)と前月から改善している。

ただし、トランプ関税がなくなることは恐らくなく、関税引き上げ(米国内の消費増税)の状態は続き、景気にマイナスに作用することは間違いがないため「悪いと思ったらそれほどでもなかった」という程度だろう。

景気底入れのタイミングだったはずだが、トランプの一連の政策で米国経済が崖っぷちに追いやられる中、ベッセント財務長官を中心に立て直しの動きが強まっている。

なお、先ほど赤澤大臣とベッセント財務長官の会談が終了したが、今後は事務レベルの協議に移るとのことであり、報道ベースのスケジュールでは早くても合意は6月頃になるのではないか。

冷静に考えると、実は同盟国が少ない米国が100%信頼できるのは日本しかないはずであり、日本を蔑ろにすることはあり得ない。しかし、中国と距離を近付けようとしている欧州などに代表される国や地域が「米国外し」に動くことも有り得るため、今回の協議は米国にとっても重要と考えられる。


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