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株の上下に合わせて上昇後下落
  • MRA商品市場レポート

2025年4月16日 第2953号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「株の上下に合わせて上昇後下落」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は上昇後、下落した商品が目立ち、前日比プラスで引けた商品は貴金属やその他農産品などが目立った。

週末に米政権がスマホやPC、半導体チップ、家電製品などの関税を免除するとの決定を下したことで株価が上昇、それに連れる形で商品価格も上昇していたが、医薬品ヘの関税を検討していることを受けて「結局、関税の影響は緩和していない」との判断から、株にポジション解消の戻り売りが入ったことで、米国時間の後場に掛けて水準を切り下げる動きとなった。

関税引き下げは米国内からも不満が多いことに対応しているものであるが、トランプ大統領はメンツとプライドの問題で政策が間違いだったと頑なに認めていない。その結果、段階的・限定的な関税緩和にしかなり得ない。

90日、交渉の猶予があるならば言葉を換えると90日間はなにも決まらない可能性があり、妥結がなければ更に90日延期、となることを示唆している。このことは企業が営業計画や投資計画が策定できなくなることを意味する。

小規模な企業であれば、まずは人員解雇、その後、倒産、という選択をしてもおかしくない。

そしてここに来て再び意識されているのが長期金利の上昇である。これまでFRBと米財務省は今年の最大リスクになるとされていた「商業用不動産の借換問題」に対応するため、特に長期金利の引き下げに腐心してきた。

しかし、トランプ政権の関税政策によってインフレになる懸念があるほか、マールアラーゴ合意の素案の中に含まれる海外投資家に対する米国債保有のコスト負担が、米国債離れを促していることが金利を押し上げている。

もちろん、金利自体が上昇していることでロスカットルールに抵触した投資家が、債券のロングポジションを解消していることもあろう。この場合、デュレーション短期化を企図するため長期債が売られやすくなる(長期金利が上昇しやすくなる)。


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