再びリスク回避の動きで米国時間後半下落
- MRA商品市場レポート
2025年4月11日 第2950号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「再びリスク回避の動きで米国時間後半下落」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、景気循環系商品が上昇後下落する展開、金などの安全資産や穀物・その他農産品などの非景気循環系商品が、ドル安進行を受けて水準を切り上げる流れとなった。基本的には仮初めの相場安定局面で、これまで解消仕切れなかったポジションの解消が続いているという印象である。
トランプ政権は関税引き上げを90日延期すると発表、これがリスク選好の下落後上昇に転じた商品が目立った。昨日の「本日の見通し」でも指摘したが、延期しても90日後には10%の関税がスタートすることに加え、中国への関税が125%ではなく145%であると改めて表明されており、それに対する中国の報復も決定していることから、世界1位・2位の経済国の景気減速懸念が払拭仕切れないことは、本格的なリスク選好状態に史上参加者が以降することを阻害している。
また、米国債の下落や格下げは信用収縮に繋がる最大のリスクであることが改めて認知された。
弊社は一昨年から、「米国金利が何らかの理由で下げられないことにより、景気後退局面でのリスク資産市場のクラッシュが発生するリスク」を挙げていたが、それが再認識されている状況。
米国債が格下げされた場合、その他のクレジットにも影響が及び、格下げ圧力が強まることが懸念される。この場合の最大の問題は「ある日突然格下げが起き、信用収縮が起きるリーマン・ショック型の危機」が発生する恐れがあることだ。
格付機関がどのタイミングで格下げを行うかは分からないが、そのリスクが高まることはリスク資産保有を回避する動きが強まることに繋がる。
更に、米国との交渉に米国債の売却がカードになる、と認知されたことが意図的な債券の下落→金利上昇→場合によると米国債の格下げ→更に金利が上昇し、グロース株などが調整...といった悪循環に陥る恐れが出てくる。中国がこれを交渉カード、というよりは「武器」として使う可能性もある。
この場合は保有する米国債の価値が下がるため、中国も返り血を浴びることは必定だが。
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