トランプ関税の影響で軒並み下落
- MRA商品市場レポート
2025年4月4日 第2945号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「トランプ関税の影響で軒並み下落」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場はドル安進行を受けてココアや穀物の一部、米天然ガス、各国国債などが上昇したが、ほとんどの商品が下落、弊社が重要としてウォッチしている(含む、株、債券)70品目中、上昇したのは11品目だけであり、その他は下落している。
昨日発表の米ISM非製造業指数も、50.8(市場予想 52.9、前月 53.5)と大幅に悪化、仕入れ価格指数は60.9(63.1、62.6)と景気減速によって鈍化、新規受注も50.4(51.9、52.2)と落ち込みが激しい。
更に特筆すべきは雇用であり46.2(53.0、53.9)と大幅に減速している。トランプ大統領はこれで米国は強くなる、と言っているが、明らかに雇用環境は悪化しているようだ。
トランプ関税の影響が市場予想を上回る内容になったことで、世界的に景気の減速懸念が強まる中、リスク資産が広く売られる流れとなった。特に今回のトランプ関税はサービスではなく、財が対象となっているため、商品市場は直撃を受ける。
今回の政策は米国から主に中国・東南アジアに流出した製造業を米国に取り戻す、というのが主眼である。
民主党は「儲かっている業態に増税して、それを貧困層に施す」というスタンスだったが、米ブルーワーカーは施しが欲しいのではなく、仕事が欲しい、ということなのだろう。民主党支持者も今回の大統領選挙でトランプ支持に傾いた理由はそこにあると考えられる。
とはいえ、やり方は問題があると言わざるを得ないし、米国民にもプラスではない(詳しくは本日のMRA's Eyeをご参照下さい)。
昨日のコラムでもコメントしたが今回の米関税率は「米貿易赤字÷米輸入額」で算出されており、経済学的にも、単純な算数でも、全く意味の無い税率であり、誰が考えたのかと言いたくなるレベルだ(複数、この立案者の名前が挙がっているが、彼らをつるし上げるのがこのコラムの目的ではないので、ここでは控える)。
日本の企業、特に財を扱う製造業は、少なくともリスク量を算定して将来のリスクに備えることは焦眉の急だろう。
本日の見通し、昨日のセクター別動向と本日の見通し、マクロ見通しのリスクシナリオ、本日のMRA's Eye、主要ニュース/エネルギー・メタル関連ニュース/主要商品騰落率/主要指数/市場の詳細データPDFは、有料版「MRA商品市場レポート」にてご確認いただけます。
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