エネルギー・貴金属上昇・非鉄金属下落 米自動車関税の反応まちまち
- MRA商品市場レポート
2025年3月28日 第2940号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「エネルギー・貴金属上昇・非鉄金属下落 米自動車関税の反応まちまち」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は貴金属セクターが大幅に上昇、エネルギーも小幅に上昇、非鉄金属が下落、穀物セクターが上昇した。昨日は米自動車関税の影響が素直に価格に影響したと考えられる。
昨日もコメントしているが、米国は例外なく全ての国の自動車に対して25%の関税を課す方針を示している。米国の自動車販売は2023年が1,561万台、2024年は1,590万台であり、金額ベースでは各々7,500億ドル、7,630億ドル程度と見積もられる。このうち、概ね45%程度が輸入車だ。
となると、金額ベースでは外国車の販売は3,400億ドル程度だ。これに25%関税が掛けられる。150円で円ベースに換算すると48兆円の規模。12兆円程度の増税となる。これに自動車部品(1,800億ドル程度)が加わり、25%関税が課されるため、金額べースでは6.8兆円程度の増税。完成車とあわせると19兆円近い増税となる。
この増税分の米GDPに対しては0.5%程度と見積もられるため、これに伴う財政状況の改善は限定的である。
しかし、業界全体ではこの関税上昇分を最終価格に転嫁できればまだ良いが、それができない場合営業利益は圧縮される形となるため業績悪化、また、それに伴う投資の減少なども懸念される。これは在米のGMやフォードも同じだろう。つまり、今回の政策が継続することでメリットを得る業者はほとんどない、ということだ。
強いて言えば、増税により税収が増える米政府が一番メリットを得ることになる。
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