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四半期末を意識し高安まちまち 自動車関税発動決定
  • MRA商品市場レポート

2025年3月27日 第2939号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「四半期末を意識し高安まちまち 自動車関税発動決定」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は非鉄金属・貴金属セクターが下落したが、エネルギーセクターは水準を切り上げた。四半期末を控えたポジション調整的な取引が主体だったと考えられる。

この数日、株価の上昇が続き、市場参加者のリスクテイク意欲も回復、特に需給がタイトとみられる非鉄金属や、政治的な対立の深まりを意識した金などは物色が続いていたが、恐らく3月末のファンドの四半期決算を意識したポジション解消取引に押される形となった。

昨日、市場では織り込み切れていないが、トランプ大統領は4月2日から例外なく、25%の自動車関税を導入することを決定、この関税を恒久化するという。公約通り、米国に本当に製造業を回帰させようとするつもりのようだ。

確かに、米国で販売するものを米国で製造するのは自然といえば自然である。ただし、そのやり方が余りに極端であるため批判が出ているというのが現状だろう。

繰り返し報じられているとおり、日本の米国向けの輸出に占める自動車のシェアは2024年実績で6兆261億円と、対米輸出総額の28.3%を占めるため影響は小さくない。体力のある企業は恐らく米国に工場を移転することになるが、その企業に対して納入している中堅・中小の下請け企業は、大きな影響を受けることになる。

25%の関税を甘受して、日本で製造・輸出を決断する企業も多いのではないだろうか。ただ、この場合多少なりとも値下げが必要になるため、利益が圧迫され、業績にはマイナスに作用することになることが予想される。

関税導入によってモノのフローが変わり、価格も複数地区で一物多価の状態になる。そして政策変更のタイミングで市場価格も不連続に変化することが予想される。

これはビジネスリスクなのだが、「価格をトリガー(関税による値上げ)」にしたビジネスリスクであるため、価格変動に伴う業績への影響やそれを回避する手段を講じることは焦眉の急だ。時間経過と共に状況が改善する訳ではないため、この状況で価格変動リスクを放置する意味はほぼ無い。


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