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穏健な金融当局のスタンスを受けて水準切り上げ
  • MRA商品市場レポート

2025年3月20日 第2934号(簡易版)商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「穏健な金融当局のスタンスを受けて水準切り上げ」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は総じて水準を切り上げる商品が目立った。株式市場がアジア時間は堅調な推移となり、市場参加者のリスク選好が強まったことが材料となった。

商品によっては時間的に織り込めなかったが、FRBパウエル議長がインフレの影響は一時的であり、景気の減速や不確実性から2回程度の利下げを行う事に肯定的な発言をしたことが、市場参加者の買い安心感を醸成した。

なお、エネルギー分野ではガス価格が、米露首脳電話会談の結果、「エネルギー施設への攻撃停止」では合意したものの停戦合意に至らなかったことで、露制裁は継続し、今年の夏~冬にかけてのガス調達に支障が出る、との見方が強まったことが、実需に加えて株価の上昇に伴う投機の買いも誘ったとみられる。

市場は米政権の関税や宇露・中東和平などの材料をこなしつつあるが、関税に関しては影響はまだ限定されるとの期待が残存する一方、宇露・中東和平については「停戦は難しい」との見方が強まっており、関税の影響が一巡する中では原油価格を初めとする化石燃料価格の、上振れリスクを相応に意識する必要がある。

米GDP予想を元に原油価格見通しの回帰分析の結果はリンク先の通りであり、米景気のシナリオによってはあと9ヵ月しかない2025年に関して、Brent原油は50ドル~85ドルと非常に広い価格レンジを取り得る状況である。

米政策動向、それを受けた金融政策動向が重要になることは明らかであり、今年の商品価格動向を占う上での重要なファクターといえる。


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