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ドル安→株高で買い戻し
  • MRA商品市場レポート

2025年3月13日 第2929号(簡易版)商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「ドル安→株高で買い戻し」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は上昇する商品が目立った。米CPIが市場予想を下回りインフレ懸念の後退を示唆する内容だったことで金利が低下したこと、それに伴う株価の上昇でリスク許容度が増したことが価格を押し上げる形となった。

その後ドルは切り返して上昇して価格の下落要因となるが、取引後半はむしろ株価の戻りが材料視された形。結果、取引序盤はドルの軟調さ、後半は株価の上昇がドライバーになったといえる。

結局、トランプ関税を織り込んでリスク資産価格が調整していたが、EUの報復関税発動で取りあえず更なる追加の関税の可能性が後退、割安感からの買い戻しが入りやすいタイミングだったため、買いが入ったと考えるのが妥当だろう。

しかし、米国発端の相互関税は「世界同時増税」と言い換えることができ、景気の下押し要因となる。結局「貿易量×発動期間」のかけ算で景気にマイナスに作用するため、当たり前であるが発動期間が長期化するほど、景気の下押し要因となる。

また、イーロン・マスク率いるDOGEの歳出削減も景気を下押しすることは間違いが無い。端的に、政府支出(需要)が減るからだ。これらの一連の政策は米国の財政再建には寄与するが、景気にはマイナスと整理される。

ただ、誤解を恐れずに言えば、バイデン政権時代にかなり不要な財政支出を繰り返していたことがインフレを加速させていたことも否めないため、タイミングとやり方の議論はあるが、手を入れなければならない問題だったこともまた事実である。

以上を考えるとまだ今回のCPI低下に伴う株価の底入れで、トランプ政権の一連の政策のマイナス要因が終了した訳ではなく予断を許さない状況が続くことは間違いが無い。

ただ、この状況で非鉄金属価格が上昇していることは、やや違和感と懸念がある。


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