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株安で景気循環系商品売られる
  • MRA商品市場レポート

2025年3月11日 第2927号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「株安で景気循環系商品売られる」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、その他農産品や発電燃料価格が上昇。また、ロシアの供給シェアが大きな商品が底堅い推移となる一方、エネルギーや非鉄金属は水準を切り下げた。

現在の市場のドライバーは明確にトランプ政権の政策動向。ただし、ドライバーと言ってもその方向がどちらを向いているのか全く分からない状況。

「減税と関税で米国は再び蘇る」とトランプ大統領は発言しているが、減税は今まで行っていた減税の延長(もちろん追加の企業減税もあるが)であり新味はなく、一方で関税は増税であり、更にイーロン・マスクが進める政府支出の削減は財政出動の削減を意味するため、景気にプラスには作用しない。

そもそも弊社も景気はQ125が循環的な底であり、ここから緩やかな回復を想定していた。ある意味「直近数ヵ月の底」に近い状態だったといえる。しかしこのタイミングで景気刺激ではなく、むしろ景気抑制的な対策が行われる見通しであるため、それがリスク回避の動きを強めているといえる。

ただ、これまで行われてきた「財政出動による、バブルをバブルで吸収する政策」が限界にきており、いつかどこかで誰かが調整しなければ行けなかったこともまた事実だろう。

現在のトランプ政権がやらんとしていることが、政府財政の立て直しであるなら合点が行くし、バイデン・民主党憎しの1点で行っている政策とも言い切れない。

ただ、正直よく分からないのが外交政策である。とにかく四方八方に敵を作っているだけにしか見えないからだ。関税政策で苦しんではいるのだろうが、この状況は、米国の思いと裏腹に、ライバルとしている中国に利する可能性は高い。


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