エネルギー上昇・金属下落 週末を控えて
- MRA商品市場レポート
2025年3月10日 第2926号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「エネルギー上昇・金属下落 週末を控えて」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場はこれまで下落していたエネルギー価格が上昇、逆に上昇して来た工業金属価格が下落した。雇用統計はやや弱めの内容であり米景気の減速を示唆する内容だったが、昨日に関しては週末を控えてポジション調整的な取引が主体だったと考えるのが妥当だろう。
非鉄金属はドル安、中国の経済対策期待、中国株の上昇、一部の金属に関しては米関税の影響、といった複合要因で上昇している。
なお、昨日発表の中国統計は輸出は好調だったが輸入は低迷しており同国の国内状況が厳しい状態にあることを示唆する内容。
また、昨日発表された米雇用統計は雇用者数が前月比+15.1万人(市場予想+16万人、前月+12.5万人)とまずまずの水準だったが、失業率が4.1%(市場予想4.0%、前月+4.0%)と、労働参加率の低下(62.6%→62.4%)があったにもかかわらず上昇している。
このことは企業側の求人需要が低迷していることを示唆しており、これまで緩和が一巡し回復すると見られた労働市場需給が再び緩和に向かう可能性が出てきた。
JOLT求人統計は時間差があるので、Indeed社の求人指数をみるに回復基調にあった求人が年明けから低下基調を強めており、今回の統計の弱さを裏付けている。やはりトランプ政権の政策を受けて、企業側も引締めに回っていると推察される。
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