エネルギーセクター下落・鉱物資源は上昇
- MRA商品市場レポート
2025年3月6日 第2924号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「エネルギーセクター下落・鉱物資源は上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場はエネルギーセクターが下落したが、金属セクターが上昇した。エネルギー価格は大なり小なり、最大消費国の米国の景気動向に左右されやすいが、トランプ関税の影響が米国にも及ぶ、との見方が価格を下押しした。
昨日のドル安は、ドイツの財政拡張に伴う独金利上昇の影響と、ADP雇用統計の減速が影響したものだが、ドル安と原油安が同時に発生している場合「景気の減速に伴う下落」の可能性がある。今年はQ125で底入れして回復、というシナリオがコンセンサスだったが、このシナリオが崩れる可能性があるということである。
なお、中国は全人代で財政出動を強化する方針を示し、対GDPでの赤字を▲4%(前年▲3%)に拡大する方針。それとドル安進行が相まって非鉄金属価格は大幅な上昇となった。一方、住宅関連は特段目新しい材料がなく、鉄鋼セクターは昨日は低迷している。
俯瞰して見ると、世界的に政策動向が商品価格を動かしており、これまで見通しの前提となってきた循環的なマクロ経済動向が、価格予想を行う上で余り機能しなくなってきていると言える。
政府の政策の結果、マクロ経済がどうなるか、それに伴い需給ファンダメンタルズがどうなるかが今後を占う上で最も重要になるのは間違い無いのだが、「政策論争の落ち着きどころ」が全く不透明なため方向感が出難く、リスク資産価格には下押し圧力が掛かりやすくなる。
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