米CPI堅調や緊張緩和期待でエネルギー売られる
- MRA商品市場レポート
2025年2月13日 第2909号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米CPI堅調や緊張緩和期待でエネルギー売られる」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場はその他農産品や非鉄金属の一角、貴金属が上昇した。エネルギーは総じて水準を切り下げる流れとなった。買われ過ぎテクニカルな売りと考えられるが、米CPIや米露首脳会談などが後付けで材料になったと考えられる。
注目の米消費者物価指数はかなり明確に同国のインフレが根強いことを確認する内容であり、米金融政策がハト派に転じる可能性を否定する内容だった。
しかし、冷静に考えると前日のパウエル議長の議会証言から状況は何も変わっていないこと、市場参加者の金融政策見通しもまだ年末に1回程度の利下げが行われるとの見方を維持していることから、ある意味既に織り込みともいえる。
なお、トランプ大統領はプーチン大統領とサウジアラビアで会談することを決定、宇露情勢の緊張が緩和するとの期待もエネルギー価格の押し下げに寄与したとみられる。特にこの傾向は欧州ガス価格に対して顕著だった。
しかし、ロシアとウクライナが停戦したとしても、ロシアに対する経済制裁が解除されるとは考え難い。仮に停戦になったとしても、常に攻撃のリスクに晒されている欧州は、ロシアからのガス調達を直ちに再開させることはしないだろう。
結局、トランプ大統領は結局、力を持っている権力者と相対で交渉することによって課題を解決して行くスタイルであり、その後に発生することはまたその時に考えれば良い、としている可能性が高い。そのように考えれば、一連の行動には整合性がある。
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