関税の影響でエネルギー上昇・金属下落
- MRA商品市場レポート
2025年2月12日 第2908号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「関税の影響でエネルギー上昇・金属下落」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場はその他農産品や、エネルギー価格が上昇、その他の商品は水準を切り下げた。
米関税引き上げの直接的な影響が限定されるとみられる商品はドル安進行が価格を押し上げた。エネルギーに関してはカナダに対する米関税引き上げによるWTIの上昇、それに伴うBrentの上昇が価格を押し上げた。
これに対して米関税引き上げが決定した銅や鉄鋼製品を含む金属セクターは総じて軟調な推移。米関税引き上げが、余剰品の販売先を海外に求める中国に打撃を与えるのは必至であり、米国外の需給が緩和するとの見方が価格を押し下げている。
しかし、このことは米国内のコスト上昇をもたらす可能性は高く、米国内の製品調達コスト上昇が、1.モノの価格を押し上げて米消費者物価に影響する、2.価格転嫁が困難であることから企業がこれを吸収せざるを得ず、企業業績が悪化する、といった展開が想定される。
もちろん、製造業などの製造原価に占める原料の比率が高い業種の影響は甚大で、鋼材メーカーや建築用金属製品製造、船舶・航空機製造、武器製造、などがこれに当たるが、もちろんサービス業などは影響を受けない。
しかしサービス業もエネルギー価格の上昇の影響は免れないため、特にカナダに対する関税の引き上げは米国にとってもデメリットが大きい。以上を考えると、関税政策が長期化するシナリオは余り描き難いのも事実だ。
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