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関税の影響を楽観株高で上昇
  • MRA商品市場レポート

2025年2月11日 第2907号(簡易版)商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「関税の影響を楽観株高で上昇」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場はその他農産品や石炭ンドの一部の商品を除き、総じて堅調な推移となった。非鉄金属、エネルギーが前日比プラスで引けたが、基本的には米国時間の後半に掛けて水準を切り下げる動きとなった。

雇用統計明け後の月曜日は新規の手掛かりとなる経済関連統計の発表が少ないが、昨日はこれまでの関税引き上げなどの影響が顕著に米金利の押し上げとそれに伴う長期金利の上昇を促すと見られ、不透明感からの株安圧力となっていたが、市場は影響は限定であるとして、企業の好決算を背景に再び株に買いを入れている状況。

株が上昇する中では投機筋のリスク選好が回復するため、特に景気循環系の商品には買いが入りやすく、原油は顕著な上昇となった。

金も最高値を更新したが、このコラムでも指摘しているようにむしろ株高が金高を誘発している部分は否めない。ファンドのオルタナティブ投資の部分で金が選好されている可能性が高い上、中国が対米対立激化を意識したか、金準備を積み増ししているところも買いを誘っていると考えられる。

既に、「株+金」の投資信託も日本でも取扱が始まっており、株と共に金が買われるというのは当面の大きな流れになった。問題は地政学的リスクが後退した時に、金が下落・株が上昇、金も株も上昇となるかどうかだろう。

ネット上で話題となっているUSAIDの解体問題について、日本語のSNSでは「メディアが左派的な勢力にコントロールされている」という論調で語られていることが多い。

しかし、中露との対立構図を考えると、情報戦の面で米国が劣勢に立たされる可能性があり、この問題は日本にとっても座視できる話ではない。


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