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トランプ劇場で下落後上昇
  • MRA商品市場レポート

2025年2月4日 第2902号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「トランプ劇場で下落後上昇」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は下落後、上昇した商品が目立った。トランプ関税を受けた株安、それに伴うリスク資産価格の下落で、金を含む多くの商品が下落していたが、カナダとメキシコに対する関税引き上げの時期が1ヵ月延期されると報じられたことで急速に安心感が広がり、株が戻る中で水準を切り上げる流れとなった。

結局の所、リーマン・ショックとコロナ・ショック以降の大規模量的緩和が株を含むリスク資産価格を押し上げており、センチメントの変化で株が下落・上昇する中では商品価格も株価に連れやすくなる。

昨日、ISM製造業指数が発表され、50.9(市場予想 50.0、前月 49.2)と市場予想・前月を上回る改善となった。特に新規受注が55.1(52.0、52.1)と大幅な改善となったことが影響した。

ただし、支払い価格は54.9(54.2、52.5)と上昇、雇用も50.3(47.8、45.4)とタイト化しており、現在金利を下げられるような状況にはないことを示唆している。

この状態で宣言通り関税が引き上げられれば、更にインフレが加速、金利上昇で株下落、それに伴いその他のリスク資産価格下落ということは十分有り得る。株式市場で現在の株価が高すぎとの指摘が多いことも勘案するとそのリスクは小さくはない。

しかし、同時にこれまでの相場動向を見ると、ファンダメンタルズ以上にセンチメントが大きく価格を動かしている事は間違いが無い。それぐらい、「まずやらないだろう」と思われている政策をトランプ大統領が次々と発動している為だ。

「ケンカ上等」のスタンスで、それが中長期的に米国にマイナスになってもお構いなしに政策を遂行していることは、トランプ政権中の市場変動性が高いままであることを示唆するものだ。


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