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米統計減速を受けたドル安と米関税トーンダウンで堅調
  • MRA商品市場レポート

2025年1月27日 第2896号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米統計減速を受けたドル安と米関税トーンダウンで堅調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、自国通貨建て商品価格が水準を切り下げたが、その他の商品は上昇したものが目立った。注目の各国PMIは欧州は改善の兆しがみれる内容だったが、米サービス業景況感指数は減速、ミシガン大学消費者マインド指数も下方修正されたため、米景気に対する過度な期待がやや後退、それに伴うドル安進行が価格を広く押し上げた。

なお、日銀金融政策決定会合が行われたが、25bpの利上げは十分に織り込ませていたたため、市場への影響はほとんど無かった。円高進行を期待した市場参加者や消費者も多いが、日銀の政策金利変更が緩やかである以上、現状の円安水準の訂正への圧力は期待ほどではなさそうだ。

また、あれだけ強硬だった中国に対する関税引き上げに関し、トランプ大統領は「中国にできれば関税は課したくない」とややトーンを後退させたことで、昨日のレポートで指摘した世界的なモノのフローの鈍化懸念が後退したことも、景気循環系商品価格を押し上げる流れとなった。

この動きは、トランプ大統領が実際の景気を意識して現実的な水準に関税などを落ち着けようとしている(当初、アナリストの大半が予想していたシナリオ。経済合理性を無視した動きは米国にとっても不利益、との見方)のか、そもそもその場の思いつきで言いたいことを発言するトランプ大統領の性格に依拠するものなのか、判然としない。

報道ベースではトランプ政権の閣僚の間でも意見が統一されていないとされており、もし事実であるならば上述の前者、現実路線に収束するという可能性が若干高まってきたと考えられる。

しかし同時に、オバマ・トランプ第一期・バイデン・トランプ第二期を通じて一環する「中国は米国の脅威」という見方は変わっておらず、今回の関税引き上げも俯瞰的に見れば、中国を中心とする重要資源や部材のサプライチェーン再構築戦略の1つであることも間違いが無い。


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