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関税引き上げの思惑とAI投資を受けた株高でまちまち
  • MRA商品市場レポート

2025年1月23日 第2894号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「関税引き上げの思惑とAI投資を受けた株高でまちまち」

【昨日の市場動向総括】

金曜日の商品市場はまちまちとなったが、景気循環系商品は総じて売られる流れとなった。米トランプ関税が当面は見送られるとの見方が強まっていたが、やはりメキシコ・カナダ・中国ヘの関税引き上げの可能性は高く、昨日も指摘したが景気ヘの悪影響が懸念されるため、広く景気循環系商品が売られる流れとなった。

トランプ関税引き上げが商品分野に及ぼす影響は、貿易フローの変化による価格の二極化、米インフレ懸念を背景とするドル高進行、に整理される。そして、関税引き上げ前までの駆け込み輸出が輸出市場の需給を緩和させることが予想される。

仮にカナダからの原油に25%の関税が課されれば、輸入コストの上昇で米石油製品価格は上昇、インフレ圧力となる。現在、モノの価格は安定しているため、インフレに寄与しているのはむしろサービス業であるが、これにモノの価格の上昇も加われば、米国のリスクは小さくない。

繰り返しコメントしているが、米商業用不動産市況の悪化が、信用収縮に繋がる恐れがある。実際、不動産市況を示す指標の1つである米国のREIT指数は長期金利との逆相関性が高いが、金利が上昇する局面ではS&P500以上に低下しやすいことが確認されている。

このように関税引き上げは「相手国を交渉のテーブルに着かせることができ」「そこから交渉(ディール)に持ち込める」というメリットがあるが、その間、米国民は返り血を浴びることになる。


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