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強めの米統計で株調整も商品は軒並み上昇
  • MRA商品市場レポート

2025年1月13日 第2886号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「強めの米統計で株調整も商品は軒並み上昇」

【昨日の市場動向総括】

金曜日の商品市場は、総じて上昇する商品が目立った。注目の米雇用統計は雇用者の増加が前月比+22.3万人(市場予想+14万人、前月+18.2万人)と巡航速度を超えるペースでの増加が確認される一方、平均時給の伸びが前月比+0.3%(市場予想+0.3%、前月+0.4%)前月から鈍化したことで、米景気への楽観が広がったことが材料となった。

しかし、米景気が良好との見方で米長期金利が上昇、更にその後に発表されたミシガン大学消費者マインド指数が先行き景況感の悪化(実績70.2、市場予想72.7、前月73.3)と減速したこと理由に、総合指数が73.2(74.0、74.0)と悪化、1年期待インフレが3.3%(市場予想2.8%、前月2.8%)と大幅に加速、5-10年期待インフレも3.3%(3.0%、3.0%)と加速したことで、長期金利に上昇圧力がかかりドル高が進行、多くの消費価格を下押しすることになった。

昨日の商品価格全体のセンチメトを強くしたのが、米バイデン政権の最後の置き土産である対ロシア制裁が、これまでの制裁からかなり踏み込み、広範にわたる内容になったことで、「最大消費国の景気がQ125の早期に回復局面入りした可能性が出てくる中での、大規模な供給制限」が材料になった形。

今回の石油大手2社の原油が輸出できなくなったとすれば、▲100万バレル/日程度の供給制限が発生することになり、影の船団ヘの制裁強化が輸出を大幅に減じる場合、IEAなどが想定する+100万バレルの供給過剰から、需給見通しが一転することになる。

今回の対露制裁は、ロシアを財政的に追い込んでウクライナとの停戦協議をウクライナにとって有利に進めることが狙いとされているが、宇露戦争を停戦に持ち込もうとしているトランプ政権にとってプラスに作用するのか、マイナスに作用するのかは良く分からない。

ただ、OPECプラスの増産が4月までないことを考えると、少なくとも原油価格の高騰を引き起こし、米国のインフレを助長する可能性は低くない。


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