景気循環系商品総じて軟調
- MRA商品市場レポート
2024年12月11日 第2864号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「景気循環系商品総じて軟調」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、景気循環系商品が売られ、貴金属やその他農産品、発電燃料などが物色される流れとなった。
中国政府が経済対策強化に舵を切るとの期待が高まる一方、発表された貿易統計が同国の経済活動鈍化を示す内容だったこと、ドル指数が米国債入札の不調やドル指数に対して影響が大きい欧州の景気が総じて低調であることによって上昇したことが、全体に価格の押し下げ圧力となった。
中国の貿易統計は同国の苦境を示唆する内容であり、「この状況を受けて政府も景気下支えに舵を切らなければならなくなった」と解釈する方が適切かもしれない。
来年の世界経済は緩やかな回復を期待しているものの、経済的な繋がりが深い中国と欧州が共倒れになった場合のリスクは無視できない。もちろん、現在中国が実施すると期待されている財政出動を伴う経済対策によっては、共に回復ということも有り得る。結局、現状で米国以外の国はさほど良好な経済環境にあると言うわけではない、ということだろう。
しかし、このコラムでも指摘を続けているが、米国も想定よりも景気が悪くない結果、利下げペースも鈍化せざるを得ず、1.商業用不動産の借換が困難になり、信用収縮が発生、2.カードローンを用いた消費が高金利で減速する、3.中国に対する過度な対策が米国経済にも悪影響を及ぼす、といったリスクが顕在化する可能性も否定できない。
なお、昨晩はUSDAの需給報告が発表されている。
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