地政学的リスクの高まりでエネルギー・貴金属上昇
- MRA商品市場レポート
2024年11月22日 第2851号 商品市況概況
◆昨日の商品市場（全体）の総括
「地政学的リスクの高まりでエネルギー・貴金属上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、石油、発電燃料、貴金属の上昇が目立ち、農産品や非鉄金属は下落した。
足元、米経済統計がさほど悪くなっていない（弊社の2025年見通しの中のリスクシナリオ1）中、利下げの回数見通しが下方修正されており2025年末までの米国の利下げ見通しはFF金利先物から判断されるベースで、あと3回弱まで減少している。
為替は伝統的に金利差が大きく影響するため、この利下げ回数見通しの引き下げはドル指数の押し上げに寄与し、ドル建て資産価格を押し下げることになる。
こうしたドル指数の動向がドル建て資産価格の下押し材料となっており、供給面で影響を受けている（と予想される）商品以外の価格を押し下げている状況。
供給面が意識されているのはエネルギー関連。原油やガスはミサイル攻撃合戦の影響でインフラ破壊のリスクが強まっている。エネルギーインフラの破壊は戦況を一変させる可能性があるため、特に意識されているということだろう。
貴金属は2022年以降、特に戦争を材料に上昇しているケースが多いため、今回も例外なく物色される形となった。
なお、トランプ次期大統領が中東・宇露の戦闘を、どこまで収束に持って行けるのかは不透明であり、現状を見るに就任後、72時間で沈静化できるとはとても思えない。
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