ドル高継続で軟調 発電燃料は露リスクで上昇
- MRA商品市場レポート
2024年11月15日 第2846号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「ドル高継続で軟調 発電燃料は露リスクで上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、その他農産品などの景気に直結しない非景気循環系商品が上昇したが、その他のエネルギーは低調な推移となった。特に非鉄金属は中国の需要の回復が見込めない中、ドル高が進行する中で水準を切り下げている。
時間的に織り込めない商品も多いが、FRBパウエル議長が利下げに慎重な発言に微修正していることがドル高を助長し、ドル建て資産価格の下押し要因となった。
また、矛盾に満ちたトランプ政権の政策への過度な期待が剥落していることも、11月のファンド決算期末を控えて、買い越しとなっているリスク資産価格の下押し要因となったようだ。
「値上がりするから」という理由が恐らく主体で上昇して来た貴金属にも調整売り圧力が強まっており昨日も下押し圧力が強まったが、さすがに大統領選後の下落が急ピッチだったこともあり、強気の見通しである市場参加者の買いで底堅い推移になっている。
昨日注目は欧州の天然ガス価格が大幅に上昇していること(詳しくは有料レポートのエネルギーのコラムをご参照ください)。ロシアからのガス供給途絶のリスクが意識されたことが背景。
米国ではトランプ政権が誕生する見通しであるが、やはりロシア産ガスを巡る欧州へのガス供給体制がどのような形で決着するかはエネルギーの安全保障を考える上で非常に重要になってくる。
正直な所、どのような落とし所になるかは全く分からないが、昨日の値動きを見るとロシア産のガス供給懸念が顕在化すると、昨日見られたようなインパクトで発電燃料価格が上昇することになるのだろう。
また、COP29が開催されているが、アルゼンチン代表団の帰国やフランス環境大臣の閣僚級会合欠席など、荒れ模様のようだ。
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