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中央経済工作会議への失望とドル高で軟調
  • MRA商品市場レポート

2024年12月16日 第2867号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「中央経済工作会議への失望とドル高で軟調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、ドル高進行の中でその他農産品や自国通貨建て商品価格が上昇したが、その他は軒並み水準を切り下げる動きとなった。また、中国中央経済工作会議の結果が経済対策の発表を期待していた市場参加者の失望を誘ったことも、景気循環系商品や工業金属価格を押し下げることとなった。

中国は長年放置して来た不動産セクターの問題に直面しており、その処理が進んでいない。同国はかなり詳細に日本の過去の事例を検証しているので同じようにはならない、と主張して来たがかなり日本が歩んだ道と同じ道を、より厳しい状態で歩んでいるという印象は否めない。

やはり、国が大きすぎ、かつ、中国の伝統的な郡県制を維持した結果、各地方政府の統制が効かなくなっているのだろう。巨大な船ほど方向転換には時間と労力がかかるのは無理からぬことだ。

いずれにしても中国政府は何らかの対策を打ち出す必要があるが、恐らく詳細発表を見送ったのが、米トランプ政権の対中政策の本気度が分からない~ではないだろうか。今、この分野にこれだけの予算を付ける方針、と決めてしまっても米政権の対応によってはまた方針を変える必要が出てくるからである。

そして、トリプルレッドが確定している米次期政権の動きは速い。実際、メキシコとカナダの関税引き上げの話は、「まだ大統領になってもいないのに」下準備をして発表している。大統領選挙が終わってからわずか3週間だ。

独裁国家ではないが、米国の今後の意思決定がかなり迅速に行われる可能性が高いことは市場価格を大きく変化させるという意味で、トランプ政権下では大きな(市場)リスクとなるだろう。

◆本日のMRA's Eye


「トウモロコシ需給はやや強気に変化~2024年12月度米農務省月例需給報告より」


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