米半導体規制観測を受けた株安・原油供給途絶リスク低下で下落
- MRA商品市場レポート
2024年10月16日 第2824号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米半導体規制観測を受けた株安・原油供給途絶リスク低下で下落」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は調整する商品が多く、上昇したのはその他農産品だった。昨日は引き続きイスラエル問題が材料にされ、原油価格が下落したことが商品市場全体の下押し要因となった。また米政府による半導体輸出規制の動きが株を大幅に下押ししたことも、リスク選好を鈍化させたことも価格押し下げに寄与した。
ただしこの数週間、景気循環系商品が売られるとソフトコモディティが物色され、逆の場合は逆、となるケースが多い。このことは日々の値動きが需給ファンダメンタルズではなく、ポジション調整的な取引が主導している可能性を示唆するもの。
イスラエル問題はいろいろ報じられているが、ネタニヤフ自身が「イスラエルのことはイスラエルが決める」と発言しており、米国の意向がどの程度反映されているか正直分からない。
イスラエルが各地で過度に民間人を殺害している、という非人道的な行為に及んでいることへの米国の対応だが、一歩引いて考えると、イスラエルが中東で弱体化すれば政治的に対立し、軍事的にも脅威となるイランに利することになる。イランに有利に運べば、ほぼ同盟国である中国の中東・北アフリカ地区ヘの関与を強めることになる。
以上を考えると仮にイスラエルが非人道的な行為に及んでも、支援を止める訳にはいかない、というのが米国の本音ではないか。
もちろん、選挙などを睨んでユダヤ系に配慮する必要がある、宗教的な親和性、といったかねてから言われている要因はあるものの、冷静になって考えると中東への米国の過度な支援は、中東へのエネルギー依存がなくなったとしても、地政学的な要因がまだ残っていると考える方が妥当かもしれない(本当の所は米政権・議会中枢しか知り得ない事であるが)。
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