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原油買い戻し一巡と中国対策期待大幅後退で下落
  • MRA商品市場レポート

2024年10月9日 第2819号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「原油買い戻し一巡と中国対策期待大幅後退で下落」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、一部の農産品を除き、軒並み水準を切り下げた。中東情勢不安を材料にしたインフレ懸念で広く商品が物色される動きが見られたが、投機筋の買い戻しが一巡、今のところイスラエルによるイラン攻撃が実施されない中で、Wait & Seeモードに入ったことがエネルギー価格を押し下げたことが背景。

また、9月23日から始まった一連の中国の経済対策と今後の追加対策の期待が勝手に市場で高まっていたが、中国当局は対策の影響(主に利下げ)を見極めたいとして追加対策を打ち出さなかったことで、期待が急速に剥落、中国の需要回復期待の後退もさることながら、株価の上昇に伴うリスク資産物色の動きが急速に弱まったことが背景。

特に非鉄金属・工業金属を始めとする金属セクターの下落が昨日は顕著だった。

このことは、中国政府が具体的な経済対策を行わなければ、中国経済の回復はないと市場が見ていることの裏返しでもある。ただ、常識的に考えて中国が財政を用いて対策を行うためには予算措置が必要であり、それは恐らく2025年度予算からと考えるのが妥当であり、かなり期待が先行していたことは間違いが無い。

ただ、これも誤解がないように指摘して置くが、中国の不動産市況はかなり絶望的な状況にあるものの、まだバブルが弾けたわけではない(本格的な処理が始まり、住宅価格が暴落している訳ではない)。

もちろん新築住宅価格の価格は前年比ベースで低下を続けているが、暴落している訳ではないし、全く工事も進まず、人も住まない、値段の付かないゴーストタウンがあることも事実ではあるが、中国政府の資金繰り支援や延命策でそうなってはいない。

いずれにしてもここまでの報道をみるに、「時間を掛けて対応する」という選択を当局がしている可能性は高い(というよりは、処理をしたくても規模が大きすぎて処理できない、という方が表現としては正しいか)。


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