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上昇も地政学リスクと利下げ幅縮小観測を受けた株安が上昇を抑制
  • MRA商品市場レポート

2024年10月8日 第2818号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「上昇も地政学リスクと利下げ幅縮小観測を受けた株安が上昇を抑制」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、その他農産品や非鉄金属の一角が売られたが、軒並み水準を切り上げる商品が目立った。市場は中東情勢不安の高まりとそれを受けた期待インフレ率の上昇、株価動向に注目している状況。昨日は株の下落が一部の商品の価格上昇を抑制した。

中東情勢はネタニヤフ首相の判断による(米国の忠告はほとんど無視している、というよりは米国はイスラエルが何をやっても何もしてこない)ところが大きいため、彼のさじ加減次第の所は否めない。

そもそも、今回の事態がどこで発生したかを紐解けば、ハマスがイスラエルに対して攻撃をしたこと(そこに至るまで、イスラエルの苛烈な占領統治と攻撃があったのも事実)が切っ掛けであるが、テロを許さず、の流れは欧米からすれば当然の正義であり、ハマスに対する攻撃は是とされて然るべきである。

しかしこの戦闘行為の中で、かつては十分気をつけていた、民間人の殺害をイスラエル側が余り厭わなくなり、虐殺行為と批判されても致し方な状況になっているのも事実。

結局、懸念していた「イスラエルvs反イスラエル」の構図になりつつある。

ただ、今のところアラブ諸国はイスラエルにも、イランにも積極的に関与する感じではない。話がエスカレートしてしまったので、「触らぬ神に祟りなし」の状態。結局、イランとイスラエルの対立という構図に収束している。

この場合、イスラエルもイランも相手に対して地上軍を派遣することはできないため、ミサイルによる空中戦になるが、イスラエルがイランの国力を削ぐ(サポートしている武装勢力への支援力を削ぐ)、という意味で油田を攻撃するというロジックは「イスラエル側からすれば」ある話だ。

現状、中東諸国の景気は減産と原油価格の下落で厳しい状態にあるため、実際に輸出が停止してしまうホルムズ海峡の封鎖を、アラブ諸国側もイランも望んでいないと考えられるが、イランの石油関連設備はホルムズ海峡付近にも集積しており、ここに対する攻撃が激化すれば、船舶の航行に影響が出ることは必至で、原油価格は上昇を余儀なくされるだろう。


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