米雇用統計想定外の大幅改善で軒並み上昇
- MRA商品市場レポート
2024年10月7日 第2817号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米雇用統計想定外の大幅改善で軒並み上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、その他農産品や穀物が売られたものの、その他の商品は軒並み水準を切り上げた。注目の米雇用統計が市場予想を大きく上回る雇用環境の改善を示唆する内容だったことから、米景気のソフトランディング期待が高まったことが価格を押し上げた。
また、中国政府の経済対策の効果をかなり前向きに評価した市場参加者が、中国株を大幅に買い上げた(ここしばらくは国慶節で休場)ことで、リスク選好が回復していることが市場参加者を強気にさせている。
昨日の雇用統計は、雇用者数の増加が前月比+25.4万人(市場予想+15万人、前月+15.9万人)と市場予想、前月を大幅に上回った。
特に民間部門の雇用者数が+22.3万人(+12.5万人、+11.4万人)と増加しており、ほぼ全ての業種が前月から雇用者を増加させている。先日発表されたJOLT求人も良好だったが、リアルタイムの雇用指標の1つであるIndeed雇用指数は求人者数の底入れを示唆する内容。失業率も4.1%(4.2%、4.2%)に低下している。
また、平均時給が前月比+0.4%(+0.3%、+0.5%)と市場予想を上回り、前年比+4.0%(+3.8%、+3.9%)となっていることを考えると、米国の雇用環境はかなり堅実であり、消費が回復する可能性も否定できない。
一部で指摘されていた「失業率の上昇は移民の増加で労働人口が増加したことによるものであり、基礎消費は堅調」という見方もあながち否定できなくなってきた。
現時点では米景気が減速して賃金の上昇率低下と物価上昇率低下で、段階的に利下げを行うというメインシナリオを変更する必要はないと考えられるが、これまで市場で想定されていた景気後退(逆イールドの後のイールド回復時は、過去、ほぼ100%景気後退局面が発生している)が回避できるかが焦点になろう。
ただ、非常に難しいのが10月の雇用統計がハリケーン、港湾スト、ボーイングのストライキなどの突発事象が発生しており悪くなるのがほぼ確実であるため、実態を把握し難いためだ。より、週次の失業保険申請件数やリアルタイムの雇用指標であるIndeed社の求人インデックスは重要になるだろう。
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