ハリス候補優勢報道を受けたドル安で堅調 しかし基本は様子見
- MRA商品市場レポート
2024年11月5日 第2838号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「ハリス候補優勢報道を受けたドル安で堅調 しかし基本は様子見」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場はエネルギーや非鉄金属が上昇したが、その他は調整売りに押される商品が目立った。エネルギー価格の上昇は、OPECプラスの増産見送りや米国の熱帯性暴風雨ラファエルの発生、ドル安進行が材料。
非鉄金属価格の上昇はハリス候補が選挙戦で巻き返した、との報道を受けてドル安が進行したことや、再エネ向けの補助金継続観測などが材料視されたようだ。
大統領選はメディアの報道ではハリス候補有利、ネット上の情報ではとランプ候補有利、となっている。ただしこれらはほぼ信憑性のない材料であり、大統領選の結果は終わってみなければ分からない。それより考えなければならないのは、大統領選の結果、1.180度米国の政策が転換すること、2.大統領選の結果を不服として暴動が起きること、だろう。
1.は普通に政権が交代すれば起こることだが、トランプ候補が勝利すれば、地政学的な問題は中東は衝突が過熱し、ロシア・ウクライナは場合によると沈静化など対象となる国と地域毎に影響が異なる。財政・金融政策的には減税で景気が過熱、金利高、ドル高が想定される。
ハリス候補勝利の場合は今と変わらず、景気減速と利下げ継続でドル安進行、企業増税で景気は減速、中低所得者ヘのバラマキ政策で再び労働者が足りなくなるといった自体も想定される。それ以上にリスクは上述の通り、トランプ候補支持者の暴動だろう。
映画のシビル・ウォーではないが、米国が内戦に近い状態になった場合、これをロシアや中国は喜ぶだろう。場合によると即応できないタイミング(現時点ではトランプが勝利したとしても大統領はバイデン)で軍事的な行動を加速させる怖れもある(さすがに中国が台湾や尖閣に侵攻、はないと思うが...)。
と、明日になればガラッと世の中が変わってしまう可能性があるため、市場参加者は積極的にはポジションは取って来れないと考えられる。
◆本日のMRA's Eye
「鉄鋼製品価格が示す中国の苦境~米大統領選も影響」
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