米金利上昇によるドル高で景気循環系商品軟調
- MRA商品市場レポート
2024年9月26日 第2810号(簡易版)商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米金利上昇によるドル高で景気循環系商品軟調」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、供給不安を材料に発電燃料の一角が上昇、その他農産品も上昇したが、エネルギーや非鉄金属などの価格は水準を切下げた。
米長期金利が米財政不安やMoody'sの格下げ見通しなどを背景に上昇しており、ドル高が進行していることが価格を下押しする形となった。昨日、固有の材料があった商品はそれほどあるわけでは無い。
発電燃料に関しては、特に今年いっぱいで供給契約が終了するロシア産ガスのウクライナによる輸送契約への懸念、イスラエルがレバノンへの軍事侵攻、地上軍派遣について言及していることに伴う、同国のガス生産低迷リスクが意識された形。
今のところ市場は米国の大幅利下げや、中国の矢継ぎ早の経済対策(と言っても金利を下げる事が軸であり、これに伴い有効需要が増加するには通常の景気のサイクルが必要になるため時間が掛かる)を材料にリスク資産が買われる展開が続いている。
金も連日高値を更新しているが、足下は9月FOMC前後から始まったイスラエルによるヒズボラ攻撃を名目とした、レバノンへの大規模な空爆による地政学的リスクの高まりが材料視されていることと、株価上昇によるリバランス効果の影響が小さくない。
この状態で市場は今週末の米個人消費関連統計、翌月の雇用統計に注目している。ただ、米国は求人数が減少しているものの、同時に新規失業保険申請件数も減少しており、「減速しながらも底堅い」状態。
Indeedが集計する求人指数も直近では上昇しており、失業率の上昇も移民増加による労働人口増加に因るものである可能性もあり、ひょっとすると市場が想定しているよりも雇用環境が良好である可能性は否定できない。
特に今晩の米週間新規失業保険申請件数動向は注目したい所だ。
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