中国の経済対策と米大幅利下げ期待で上昇
- MRA商品市場レポート
2024年9月25日 第2809号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「中国の経済対策と米大幅利下げ期待で上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、農畜産品と発電燃料の一角が下落したが、その他は概ね上昇した。中国政府が不動産、株式市場で一連の対策を発表したことを受けて、同国の景気回復期待が高まったことに加え、昨晩発表された米コンファレンスボード消費者信頼感指数が悪化、米国の大幅利下げ期待が高まったことが材料となった。
中国政府は不動産市場と株式市場での対策を打ち出した。
不動産市場対策の軸は「金利引き下げ」と「不良不動産を公的セクターが買い上げ、デベロッパーの破綻を回避する」になるが、よくよく考えると不良在庫の処理が終わるわけではないし、これを受けて更に不動産開発投資が加速するとも思えない。
つまり、デベロッパーの破綻を回避して、時間を掛けて処理をするという意思表面とも言える。
株価対策はかつて、安倍黒田時代に行っていた公的セクターによる株買い支えを本格化させる見通しである。中国は米国と似たところがあり、株の含み益などがあれば消費をする傾向が強いため、株価対策というよりは個人消費を回復させるための対策、といえるだろうか。
しかし、問題の根本は不良不動産の処理であり、同国に見切りを付けて退場して行く外資系企業を食い止めることであるが、これらの対策やこれまでの外国人や外国企業に対する対応を見ているととてもそれができるとは思えない。
今回の対策がファイナンシャルな面で景気循環系商品価格を押し上げる可能性はあるが、株価動向次第の面も否めず、上昇継続の根拠としては薄弱だろう。
米コンファレンスボード消費者信頼感指数は、消費の重要な先行指標の1つであるが前月・市場予想とも下回っており米国の景気が減速していることを確認する内容。これを受けて11月の▲50bpの利下げ期待は62.2%(前日53.0%)に急上昇、▲25bp利下げの可能性は37.8%(47.0%)に低下している。
昨日の株高に寄与したが、この株価ヘのプラスの影響もあくまで期待を元にする薄弱なものであり、仮に▲25bpの利下げに止まれば株の下落は有り得るだろう。
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