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米雇用減速・賃金上昇で株安 総じて軟調
  • MRA商品市場レポート

2024年9月9日 第2797号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米雇用減速・賃金上昇で株安 総じて軟調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、その他農産品や需給がタイトになる固有の材料があった発電燃料、自国通貨建て商品の一部を除き、軒並み水準を切り下げる展開となった。

注目の米雇用統計は雇用者数の増加が前月比+14.2万人(市場予想+16.5万人、前月+8.9万人(速報比▲2.5万人))と市場予想を下回る一方、失業率は4.2%(4.2%、4.3%)と低下、時間あたり賃金は前月比+0.4%(+0.3%、+0.2%)と伸びが加速した。

まとめると、「雇用環境は悪化しているが、市場が懸念しているほどの急速な悪化ではない」ということになろうか。

昨日の統計を元に求人失業レシオをはじくと1.08倍(7月1.07倍)と上昇し、雇用環境の緩和が「やや」鈍化したことになる。しかし、JOLTS求人の求人数の減少が8月も7月と同様のペースだったと仮定すると、1.05倍となり、労働需給が緩和局面入りする1倍を下回るのは時間の問題となる。

ただ、この統計を以て「9月▲50bp利下げ」を織り込むのは難しく、まだ、メインシナリオは▲25pbの利下げと想定される。

なお、Fed Watchベースでも9月▲25bpの利下げ確率は70%(前日60%)に上昇している。

恐らくしばらくの間は、その他の商品ヘの影響が大きい株価が調整するとみられるため、特に景気循環系商品には下押し圧力が掛かりやすくなる。また、仮に株下落と金下落が同時に発生(昨日もそうなったが、金の下落幅は限定された)した場合は「リスクオフ」であるため注意が必要だ。


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