ADP統計減速を受けた株安で総じて軟調
- MRA商品市場レポート
2024年9月6日 第2796号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「ADP統計減速を受けた株安で総じて軟調」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、穀物セクターの一角、その他農産品セクターが引き続き上昇、貴金属も上昇したが、原油や非鉄金属などの景気循環系などは軟調な推移となった。
注目の米ADP雇用統計が市場予想を下回る内容だったことで、前日発表された米JOLT求人の減速と合わせて労働市場需給の緩和が意識され、景気循環系商品が売られる流れとなった。
市場参加者は労働市場の動向、FRBの利下げ幅に注目しているが、前者は景気循環系商品価格の下落要因、後者はファイナンシャルな面で価格を押し上げやすい。
そのため、景気に基本的には消費が影響され難い、穀物やソフトコモディティは堅調な推移となりやすい。ただ、米景気減速に伴う株安を受けて「ポジション解消の買い戻し」が入っているだけとも言える。
現在、FF金利先物ベースでは年4回、来年の3月までに6回の利下げが見込まれている。ただ問題は市場の期待するペースでなかった場合、株価が調整して広く商品価格を下押しするケース。と、逆に市場予想を上回る利下げとなった場合の「そこまで景気が悪いか」といったサプライズ。
いずれにしてもここまでの報道やファンド筋のコメントを見るに年内の株価は下方向を見ている可能性があり、年初から株価は大きく上昇していることも考えると、来年度を睨んでファンド勢が一時、株式市場で利益確定の動きを強める可能性はある。
この場合、リバランスの売りでロングとなっている商品には下押し圧力が、ショートとなっている商品には上昇圧力が掛かることになる。
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