ドル高・株安で総じて軟調 エヌビディア決算は良好
- MRA商品市場レポート
2024年8月29日 第2790号(簡易版)商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「ドル高・株安で総じて軟調 エヌビディア決算は良好」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、総じて下落する商品が目立った。米5年債の入札は堅調だったものの、長期金利が小幅高となりドル高が進行する中、エヌビディア決算を控えて薄商いの中、株価が調整したことでリスク回避の動きが強まったためと考えられる。
原油は米石油統計で原油在庫の減少が市場予想を下回り、米ガソリン出荷が週次で過去5年平均の伸びを下回り、4週平均ベースでは過去5年平均を下回るなど、米景気の減速が意識される内容だったことが価格を下押しした。
リビアの大規模な生産停止はあるものの、景気動向が原油価格に与える影響が大きいことを確認する1日となった。
米利下げ・ドル安進行・株高を背景として買い戻しが入ってきた非鉄金属・貴金属セクターは広く水準を切り下げる動き。いずれにしてもこの数日の商品市場は米国が消費主体である原油を除けば、米金融政策を材料に上昇した商品が多かったが、前提となる株高、ドル安が逆転した以上、昨日の下げはある意味妥当、とも言える。
なお、引け後にエヌビディアの決算が発表された。市場予想を概ね上回る内容だったが、市場予想の最も強気な予想は下回ったので売られた、という解説が多い。
弊社は個別企業株の動向や株式市場動向の予想は行っていないため(例えば、今回のエヌビディア株の時間外の下落が行き過ぎ、といった分析はしていません)、これに伴う影響のみコメントするが、これまでの商品価格の上昇の背景に株高があった可能性は高く、かつ、同社の株価動向が株式指数(S&P500など)の下落につながり、市場参加者のリスク選好を後退させるため、今後、原油や非鉄金属などの景気循環系商品価格には下押し圧力が掛かると予想される。
いずれにしても「米景気が減速する見通しであるので利下げであり、それに伴って景気循環系商品価格には下押し圧力が掛かりやすい地合」にあり「それを米利下げがどれだけ緩和するか」が今後のポイントとなる。
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