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米ソフトランディング期待でリスク選好再開・上昇
  • MRA商品市場レポート

2024年8月16日 第2781号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米ソフトランディング期待でリスク選好再開・上昇」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は穀物や農産品の一角が下落したが、その他は軒並み水準を切り上げた。そもそもアジア時間から前日の米CPIを受けて「期待ほどではないが、利下げはあるだろう」との見方から株価が安定、リスク選好回復の中で上昇する商品が目立った。

しかし、米国時間に発表された米小売売上高が市場予想を大きく上回ったこと、新規失業保険申請件数の減少などを受けて「利下げはするが、景気は悪くない」というリスク選好を助長する内容だったことが材料となった。

昨日の「本日の見通し」で取り上げた米小売売上高は良好であり、米国は失業率が上がっているもののサーム・ルールで指摘されるような急速な消費の減少と失業者増加のスパイラルに入る可能性が後退した。

今回の失業率の上昇は記録的な移民の流入(基本的に仕事を探す人ばかり)と、それに伴う個人消費の回復によるものである可能性があるため、「失業率の上昇が個人消費の減少に繋がっているか」がポイントになると指摘したが、昨日の統計について言えば、米国の消費は落ち込んでいないことになる。

リアルタイムの消費指標である米石油製品出荷も減速はしているが高い水準を維持しており、「まだ消費が落ち込み始めた」ことを示唆していない。

以上を考えると、▲50bpの利下げがなくても米市場は耐えられる、と考えられる。

しかし、これもあくまで単月の統計の改善でありこれを以てして、「もう大幅な緩和は必要ない」と考えるのは早計だろう。昨日発表された景気に先行性のあるフィラデルフィア連銀指数は▲7.0(市場予想5.2、前月13.9)と悪化している。当面、市場は米金融政策動向に一喜一憂せざるを得ず、非常に不安定な状態が続くと予想される。


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