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ドル安で堅調も米CPIの評価分かれる 地政学リスクは一旦落ち着き
  • MRA商品市場レポート

2024年8月15日 第2780号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「ドル安で堅調も米CPIの評価分かれる 地政学リスクは一旦落ち着き」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は農産品や畜産品、非鉄金属などが上昇したが、原油や貴金属セクターは下落した。

昨日は注目の米CPIが発表されたが、前月比+0.2%(市場予想+0.2%、前月▲0.1%)と前月から伸びが回復、コアCPIも+0.2%(+0.2%、+0.1%)と同様に伸びが加速したが、前年比ベースでは各々、+2.9%(+3.0%、+3.0%)、+3.2%(+3.2%、+3.3%)と市場予想を下回った。

解釈が分かれる所だが、「インフレは沈静化しているため、利下げは肯定されるものの足下の消費者物価は上昇傾向が見られており、大幅な利下げは必要ないのではないか」といったところだろうか。

FRBが目標とする「前年比ベースでの物価上昇率」は市場予想以上に減速しているため利下げは肯定されることからドル安が進行、それが多くの商品価格を押し上げる形となった。

とはいえ、必ずしも今回のCPIが利下げを積極的に肯定する内容ではなかった事も事実である(詳しくは「本日の見通し」をご参照下さい)。

一方、エネルギーに関しては今のところ、「地政学的リスク発生懸念報道を受けたファーストリアクションとしての買い戻しが一巡」したところで、イラン・イスラエル情勢の更なる緊迫が抑制されていることから、ひとまず売りが入ったとみられる。貴金属も地政学的リスクの後退が一旦手仕舞いを促した。

ただし、イランのイスラエルへの反撃抑制はガザの停戦が必要条件とイラン側は発言しているが、ネタニヤフ首相がこれを受けるとは思えず、やはり何かしらの軍事衝突が発生する可能性は高いと考えられる。

とはいえ、4月と同様「対応できる十分な時間」を双方に与えていることから、実際に反撃があったとしてもそれがクライマックスでその後、収束、というのがメインシナリオではある。


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