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リスク選好回復と地政学リスクで大幅上昇
  • MRA商品市場レポート

2024年8月13日 第2778号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「リスク選好回復と地政学リスクで大幅上昇」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、軒並み水準を切り上げる動きとなった。先週の米雇用関連統計の改善や、米国発で日本で加速した円キャリートレードの巻き戻しの影響が一巡、株式市場が落ち着きを取り戻したことがリスク資産価格を広く押し上げる形となった。

昨日は非常に解釈が難しい展開だったが、原油価格が株式市場の落ち着きによるリスク選好と、中東・宇露情勢の悪化に伴う供給リスクで大幅に上昇したことが全体のセンチメントを強気にしたと考えられる。

通常、中東リスクが意識されるなら株から金から売られる展開でおかしくないが、株も上昇、金も上昇、ということはむしろリスクテイクの動きだったと考えるのが妥当ではないか。このことは中東、ロシアでの戦闘が大規模なものにならないと、まだ市場が判断していることを示唆している。

とはいえ、中東情勢は波及の仕方によっては、景気減速局面における原油価格の上昇を通じ、コストプッシュ型のインフレを助長する可能性があり、米国の大幅な利下げへの期待が高まる中ではリスク要因となる。

ただ、今回中東情勢不安に伴うホルムズ海峡の閉鎖の可能性は低いと見ている(理由や背景説明は有料レポートのエネルギーのコラムをご参照ください)。

ウクライナによるロシアヘの軍事侵攻は、ロシアとの停戦を睨んだ「交換条件」としてのカードを1枚確保する動き、というのが軍事評論家の方の一般的な意見のようだ。

しかし、ロシアがクルスク州をそのまま放置するとも考え難く、ウクライナ東部を巡る戦況は膠着状態から流動的になったと見るべきだろう。


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