景気循環銘柄への売り続くがやや一巡感
2024年8月5日 第2772号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「景気循環銘柄への売り続くがやや一巡感」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、その他農産品と発電燃料、非鉄金属の一角が上昇した。実際に需給がタイトな商品、気温上昇で需給のタイト化が懸念されているもの、これまで投機の買いで上昇して来たが先行して売りが入って調整、その後のドル安進行で割安感が出たもの(中国の景気がよくないことは既に「前提」であるため、ドル安が価格を下支えする構図)、以外は水準を切り下げた。景気循環系商品が売られている状況だが、その売りも一応一巡した「ように見える」。
エネルギーは最大消費国である米国の景気先行きへの懸念が強まる中では需要減少観測を強めるため、価格が下押しされてもおかしくない。実際、週末はドル安と原油安が同時に発生しているため、市場参加者は「米国の景気減速」を織り込んでいると考えられる。
通常、この状態になると利下げ観測が強まり、ドル安が進行、原油価格も下落するが金融政策の効果が表れる中でドル安・原油高となり、それで底入れ景気回復、原油価格上昇・ドル高進行、となる。
なお、イスラエルはイランに対する報復を示唆しているため供給面が意識されてもおかしくない。しかし、実際にどのような形での報復になるのか、原油供給に影響が出るのかは不透明であり、市場参加者の基本的な反応は、「長期のショートは取りたくないが、まだロングを取りに行くような状況ではない」とう感じになろう。それ以上に今は、景気減速と株安が意識されている状況。
しかし、年初来の価格上昇を見ると、マイナス圏に沈んでいるのは穀物や中国が最大消費国である鉄鋼製品・原料、非鉄金属・貴金属の一角に限られており、まだ「年初来の価格上昇の行き過ぎが修正されている」程度に止まっている、というのが商品市場の現状の評価だ(先行きについては本日の見通しをご参照ください)。
なお、昨年から主張しているが、過剰な利上げを行った後、しばらく金利を据え置きして「利下げを行うタイミング」が何らかのショックが発生するリスクが高い。想定通り9月~11月がそのタイミングであり、今後、トランプ候補が何を言おうが、FRBが適切に利下げを行えるかどうかが重要なポイントになる。
本日の見通し、昨日のセクター別動向と本日の見通し、マクロ見通しのリスクシナリオ、本日のMRA's Eye、主要ニュース/エネルギー・メタル関連ニュース/主要商品騰落率/主要指数/市場の詳細データPDFは、有料版「MRA商品市場レポート」にてご確認いただけます。
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