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日銀会合・FOMCを受けたドル安・株高で堅調
  • MRA商品市場レポート

2024年8月1日 第2770号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「日銀会合・FOMCを受けたドル安・株高で堅調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、その他農産品と穀物の一角を除く、ほとんどの商品が上昇した。アジア時間は日銀金融政策決定会合で+15bpの利上げが実施され、QTのスケジュールも発表されたことで円高となり、ドル安が急速に進行したことが材料となった。

また、FOMCは労働市場の下振れリスクに言及しつつ、金融政策は政治とは全く別である旨をパウエル議長が強調したことで、更にドル安観測が強まったことが背景。

また、中東ではハマス指導者が(恐らくイスラエルによって)イラン国内で殺害されたことを受けて、報復攻撃のリスクが高まり、原油価格が上昇したことも全体の地合がやや強気に傾いたことも価格を押し上げた(詳しくは本日のMRA's Eye「ハニヤ最高指導者殺害の影響」をご参照ください)。

FOMCが労働市場の下振れリスクに言及し、政治と関係無く利下げを行う方針を示したことは、市場参加者に一定の安心感(利下げの遅れが経済のクラッシュをもたらすリスクの後退)をもたらした。結果、これまでのドル建て商品価格の下落要因だった株安に歯止めが掛かったことが、昨日の価格上昇の最大の要因だろう。

ある意味、年後半に掛けての景気減速、それが「クラッシュ」にならないようにするための金融緩和のお膳立てが整った、とも言える。

しばらくは価格は株の戻りで上昇余地を試そうが、やはり年後半に掛けて価格が調整する商品の方が多いのではないだろうか。

なお、今回の日銀の利上げは介入や米利下げ観測、選挙戦を有利に進めるトランプ米大統領候補のドル安発言と相まって、大幅な円高をもたらしている。それでもまだ150円を割った程度であることを考えると、まだ円安水準である。

今回の円高で株が下落したので「悪い円高」という声も聞かれるが、少なくとも個人消費と内需系企業にとってはプラスに作用すると考えられる。


本日の見通し、昨日のセクター別動向と本日の見通し、マクロ見通しのリスクシナリオ、本日のMRA's Eye、主要ニュース/エネルギー・メタル関連ニュース/主要商品騰落率/主要指数/市場の詳細データPDFは、有料版「MRA商品市場レポート」にてご確認いただけます。
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