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エネルギーは反発も株安でリスク資産安続く
  • MRA商品市場レポート

2024年7月25日 第2765号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「エネルギーは反発も株安でリスク資産安続く」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場はエネルギーセクターが買い戻しで堅調だったが、その他の商品は軒並み水準を切り下げた。

注目されていた各国のPMI、特に景気に先行性があるとされる製造業PMIが軒並み減速、米国に至っては50を上回っていたのだが、この閾値を割り込んだことで「景気の先行きは楽観できない」との見方が強まったと考えられる。

独製造業PMIは42.6(市場予想 44.0、前月 43.5)、ユーロ圏は45.6(46.1、45.8)、米国は49.5(51.6、51.6)と想定外のかなり悪い内容となった。

昨日の米統計は、景気拡大ペースの減速が顕著になる中(ファンダメンタルズ要因は景気循環系商品価格に下向きのバイアス)で、金融緩和期待が高まる(ファイナンシャル要因は、利下げ期待で価格に上向きのバイアス)ことを意識させるものだったが、両者は基本、相殺し合う方向に作用するため、そこまで積極的に売りが入るような材料とも言い切れない。

恐らく、足下の価格下げが顕著なものが目立つのは、やはり株価が調整している影響が小さくないと考えられる。特に非鉄金属は投機の買いで上昇して来た可能性が高い事を考えると、株価調整の中で投資比率を一定にするための売り圧力が強まってもおかしくない。


足下の株価の下落はハイテク株が売られていることによるものであることは自明。PERが上昇する中で、やはり過度に期待が膨らんだことの反動と言える。

AI技術への投資は今のところは売上に寄与するものと言うよりは、コストになっている、ということを投資家が意識し始めており、過剰な期待がやや修正されていると考えられる。

中長期的にAIの技術は必須の技術になると予想され、それに伴うエネルギー確保や鉱物資源確保は重要な各国の戦略となるだろうが、足下はスピード調整があってもおかしくない。


なお、混迷を深める米大統領選であるが、ハリス候補が急速に巻き返している状況。しかし、かねてから言われている、人気がない、外交が得意ではない、といったマイナス要素を払拭できていない。

恐らく米国であっても、東西が分裂する中では外交能力が非常に重要な鍵を握ると考えられる。


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