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金利高・ドル高・株安・三中全会失望での売り続く
  • MRA商品市場レポート

2024年7月22日 第2762号(簡易版)商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「金利高・ドル高・株安・三中全会失望での売り続く」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は総じて下落する商品が多かった。米金利高・ドル高・株安の、商品価格には下押し圧力になる材料が目白押しの中で、水準を切り下げる動きとなった。

株の下落はそもそも高値圏にある中で、米国が中国に対する規制を強化するなどを切っ掛けに、四半期決算が本格化する前の利益確定(特にインデックスへの寄与度が大きいハイテク株が売られているため、指数全体への影響も小さくない)の動きとみられる。

しかし、商品市場では株価の下落はリスク許容度の低下を示唆することから売り材料となる。昨日はテクニカルに高値を維持していた原油価格が、200日移動平均線のサポートラインを割り込んだことで、大幅な下落となった。

また、非鉄金属は三中全会が期待外れに終わったこと(詳しくは昨日の有料レポートの「昨日のトピックス」をご参照ください)、ドル高が進行したことが価格を押し下げた。

そもそも4月以降の買いは投機的な買いに因るものであり、現物需給がタイトで上がっている実需主導の上昇ではないため、こうした「期待の剥落」は大きな下げ要因となりやすい。

市場の関心は企業決算、大統領選挙、今月末に開催されるFOMCと日銀金融政策決定会合。企業決算は期末の着地見通しが注目される。大統領選挙は今の情勢だとトランプ候補が勝利すると見られるが、民主党の候補が変われば話は分からない。FOMCは恐らく利下げは見送られることで大きなサプライズはなかろう。

よく分からないのが日銀政策会合。今のところ市場はQTの見通しを示して終了、と考えているようだが、政府側から円安修正に向けた援護射撃を要請する主旨の発言が増えており、QTのスケジュール発表と共に、15bp程度の利上げがある可能性は残る。

15bp程度の利上げの影響は大きくないと思われるが、大統領選を有利に進めているトランプによる円安牽制、日本当局の介入ヘの警戒などとの合わせ技で、大幅な円高要因となる可能性はある。


本日の見通し、昨日のセクター別動向と本日の見通し、マクロ見通しのリスクシナリオ、本日のMRA's Eye、主要ニュース/エネルギー・メタル関連ニュース/主要商品騰落率/主要指数/市場の詳細データPDFは、有料版「MRA商品市場レポート」にてご確認いただけます。
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