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米CPIショックと日本の介入(観測)を受けたドル安で堅調
  • MRA商品市場レポート

2024年7月12日 第2756号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米CPIショックと日本の介入(観測)を受けたドル安で堅調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は非鉄金属セクターが大幅な下落となったが、その他の商品は上昇した。

注目の米CPIが市場予想を下回る内容となり、利下げ観測が強まったことが実質金利を押し下げ、ドル安が進行したことがドル建て資産価格を押し上げる形となった。

更にこのタイミングで日本政府が(報道ベースでは)為替介入を実施、更にユーロでもレートチェックを始めたとの報道を受けて円高・ドル安が加速したこともドル建て資産価格を押し上げる形となった。

今回の介入で、ドル指数は▲0.6%ほど下落した。対円では▲1.8%の下落だ。これに対して昨日の資源価格の上昇は、原油が+0.4%の上昇、銅が▲0.8%の下落だったため、今回の介入は資源調達側の日本にとってはプラスに作用する介入だったと言える。

過度な円安のメリットを得ていた輸出企業にとってはマイナスに作用し、内需系の企業にとってはプラスである。

ただ、デジタル赤字の増加や海外向けの個人の投資加速で構造的な円安構造は、特にこの10年間の政策の影響(円安をメリットがあるとし、それを加速させる政策を10年間続けてきたため、その結果)でそう簡単に変わる感じでもない。

特に個人も含めた市場参加者が「大きく日本の状況が変わるわけではない」と考え始めていることも事実であり、既に為替は160円を目指して下落している。やはり、実際に米国が利下げに動くまでは、そこまで大きく水準は変わらないのではないか(ただし、直近1年の日米金利差の為替に対する説明力は、ほぼゼロとなっている)。

なお、足下、日本株は売られているが、利下げの影響で「ハイテク以外のセクターもメリットを得る」とみたローテーションの動きで、これまで上昇を牽引してきたハイテク株が売られ、内需株などが物色される流れであり、ネガティブな反応とは一概には言い難い。


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