ドル安進行で一転堅調
- MRA商品市場レポート
2024年7月11日 第2755号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「ドル安進行で一転堅調」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は高安まちまちとなった。エネルギーセクターは米製油統計を受けて液体系燃料が上昇、発電燃料は「アジアは猛暑であるものの、その他の北半球の地域がまだそこまでの猛暑になっていない」こと、景気の減速を受けて水準を切り下げた。
投資家にとって現在商品市場はゴルディロックス相場入りしていると考えられる。景気は減速しているものの、史上最高値を更新しそろそろ天井感が出ている株式市場に比べて、テーマ性があり、史上最高値をクリアしている商品の数が少ないため、物色対象となりやすい。
足下、ドルの水準は決して低くないが、やはりリーマンショック以降に大幅に増加、コロナショックで著増した各国の量的緩和がリスク資産価格を支える構造に大きな変化がない、ということだろう。
恐らく景気の減速で年後半にかけて、多くの景気循環系商品価格が下落するとみているが、このままだとそれほど大きな調整にならず、景気が本当にボトムアウトするならば想定よりも水準が高くなる可能性はある。
ただ、米国の利下げタイミングが遅れ(過去、殆どのケースでショックが発生してから慌てて金融緩和を行っている)た場合、ショック発生で高値圏にあるリスク資産価格が調整するリスクはあるだろう。
この場合、金融緩和が行われる可能性が高いが、それはとりもなおさず先々のインフレの種を撒くことになるため、市場の不安定さは続くことが予想される。
米利下げが期待される9月~11月が、相場の転換点(大幅上昇、大幅下落)となる可能性がある。特に波及が大きいのがかねてから指摘されている商業用不動産セクターの混乱が、信用リスクに繋がるケース。
当局担当者も十分注意してはいるが、目に見えるリスクの中ではそれが景気急減速のトリガーを引く可能性が高いと見ている。
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