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ドル高進行で軟調
  • MRA商品市場レポート

2024年7月10日 第2753号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「ドル高進行で軟調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は総じて軟調な推移となった商品が目立った。FRBパウエル議長の議会証言は9月利下げの可能性をのこしつつも、現状のややタカ派なスタンスを維持する声明となり、金利上昇に伴うドル高進行が、広くドル建て資産価格を下押しした。

価格が上昇したのは、もともと需給がタイトなコーヒーやココア、オレンジジュースなどだった。

米国がインフレを警戒して利上げを行う、というシナリオは今のところその可能性はない。仮にトランプ前大統領復権による景気刺激策が公約通り行われた場合、資源価格上昇がコストプッシュ型のインフレをもたらす可能性があるが、そんな発生可能性が極めて高い政策を、素直にトランプ前大統領が採択するかは、さすがに微妙ではある。

ただ、前政権時代の公約実施は結果はどうあれ100%に近かったため、何らかの刺激策を実施し、それがインフレ圧力になる可能性は高い。

取り合えず米大統領選挙まではFRBの独立性は担保される。今のところサンフランシスコ連銀総裁などが指摘しているのが、求人率の低下に伴い、失業率が急速に増加する転換点に差し掛かっている可能性がある点である。

利下げは現在市場のコンセンサスとなっているが、これを失敗した場合、過去の例と同様に何らかのショックが発生して、結局急速に金融緩和・量的緩和、という流れになる(将来のインフレの種を撒く)ため注意が必要だ。

ショックが発生する可能性が高いのはその観点では9月~11月、ということになろうか。


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