パ議長発言を受けたドル安が価格を押し上げ
- MRA商品市場レポート
2024年7月3日 第2749号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「パ議長発言を受けたドル安が価格を押し上げ」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は多くの商品が上昇する展開となった。FRBパウエル議長がディスインフレの進捗について発言したこと受けて、米景気の減速や、それに伴う金融緩和期待が高まったことで米金利が低下、ドル指数が低下したことが材料となった。金融相場が続いている、という印象である。
多くの商品価格に対して説明力が高い原油価格は、昨日は下落。JOLT求人が強めの内容だったことやドル安進行が価格を押し上げるとみたかそうならず。恐らくテクニカルな節目を巡る攻防で、水準を切り下げたと考えるのが妥当であり、固有の材料によるもの、という感じではない。
足下、商品市場は高値ながらも膠着感が強まっており、方向感が出難い。景気が横這いであること、金融政策にも大きな変化が目先見込めないこと、が背景にある。
大きく動きがあるとすれば新しい四半期に入ってから、と見ていたがそれも今のところ確認されておらず、次の大きなイベント(今週末の仏選挙の結果や、8月22-24日に開催されるジャクソンホールシンポジウム、8月が期限の米民主党大統領候補選定...といったもの)までは大きな変化は出にくい。
あとは7月15-18日開催の中国三中全会だろうが、前哨戦となる座談会で習近平国家主席は改革を主張しているが、何をどのように改革するかは不透明であり、恐らく単純な景気刺激策や公共投資、抜本的な不動産市場の問題解決策が検討されることはないと考えられる。
急速な変化は体制の不安定さをもたらすからだ。仮に改革を進めると極東地区の地政学的なリスクも結果的に高まることが懸念されるため、地味に大きな変化があっては困るのが今回の三中全会であるとも言える。
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