政権交代によるインフレ観測で軒並み上昇
- MRA商品市場レポート
2024年7月2日 第2748号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「政権交代によるインフレ観測で軒並み上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場はほとんどの商品が上昇した。ドル高が進行したものの、米最高裁判所の判断により、11月までトランプ前大統領の公判が再開されないことがほぼ確定したことや、仏下院選挙で右派政党が躍進する見通しであることから、「インフレが加速する」との見方が強まったことが背景。
違和感がある話だが、今回の各国の選挙は「インフレに苦しむ国民が与党にNOを突きつける」結果が相次いでいる。しかし問題なのは、野党が提案している政策の多くが中低所得者向けの対策であり、「更にインフレを助長する可能性がある」政策であることだ。
恐らくどこの国でも消費が増加し、商品価格は高騰することが予想される。
しかし同時に減税や公共投資を実施するには代替財源が必要になることは自明であり、これを国債増発に頼れば国債価値は暴落、金利は高騰、上昇していたリスク資産価格が急落、というリスクも十分に有り得る。
先般、英国でトラス首相が僅か44日で辞任したが、このときの政策が財源を明示しない大規模減税の実施であり、ポンド・株・債券全てが暴落した。
この状況を知っているため恐らく同じようなことはしないよう、細心の注意を払うだろうが、トランプ前大統領と仏ルペン党首はこれに加えて移民の強制送還を挙げている(トランプ氏は違法移民を対象、ルペン氏ははっきり発言していないが合法移民も規制対象に加える意向と報じられている)。
また、ウクライナに対する支援も恐らく米仏は及び腰になるだろう。この結果、ロシア・中国の伸張も予想される。
日本では都知事選や自民党の総裁選のニュースが取り上げられているが、海外はかなりドラスティックに状況が変化する可能性が出てきている。
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