景気への楽観かリスク選好で総じて上昇
- MRA商品市場レポート
2024年6月21日 第2742号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「景気への楽観かリスク選好で総じて上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は穀物セクターを除き、軒並み水準を切り上げる商品が目立った。
米雇用関連統計は悪化し、金利上昇の影響か不動産関連統計も減速しているためやはり昨日の動きはやや整合性がとれていない。フォワードルッキングな指標であるフィラデルフィア連銀製造業景況指数も冴えない内容だった。
昨日発表された米統計の中で、唯一強かったのが米石油統計で在庫は市場予想以上に減少、更に石油製品出荷の増加も確認されている。
これと同時にドル高が進行、長期金利も上昇、米インフレ連動債の入札も好調だった。
この状況を整理するのは難しいが、インフレ関連統計の上昇とドル高が同時に進行しているが、各国株価が上昇していることを考えると、米石油製品出荷の回復が示唆するように米欧の景気の先行きに対して楽観的な見方をしている市場参加者が多かった、ということになるか。
しかし、金利上昇は住宅セクターの減速、商業用不動産の借換への懸念は将来の信用収縮リスクを高めている。また個人消費に関しても、カードローンを用いての消費の拡大、BNPL(Buy Now Pay Later)取引の拡大など不安要素は多い。特にカードローン使用の増加は「金利水準が直接影響し難い」と言われる個人消費にもマイナスに作用すると懸念される。
引き続き、米景気の先行きは不透明でありデータを注視する必要があることに変わりはない。
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